障害年金2級 うつ病の場合

 私への相談者の方も、うつ病等精神疾患の方が増えています。そもそもNPO法人理事長として、精神障害者の方の地域活動支援センターを運営していますので、安心感を持っていただけるのかも知れません。

 最近受給決定があった方は、仕事をしていた時に発症し、その時一度だけクリニック受診をされました。ですが、頑張ってお仕事を続けられ、相当時間が経ち、症状が悪化して再度同じクリニックを受診、ドクターストップがかかり仕事を休職され、最終的には退職されることとなりました。私にご相談があったのは退職後でした。

 クリニックは一か所しか受診されていないので、初診日証明は間違いなく現在も受診しているので問題ありませんでした。ですが、初診日(一度のみの受診)から相当時間が経過しているので、事後重症での請求とならざるを得ません。事後重症で請求することをご説明し、診断書をクリニックの先生に依頼するところから取り組みました。

 クリニックの先生に、ご自身の症状をどの程度お伝えしているかが、一番重要なポイントとなります。お聞きしたところ、正確に伝わっているとは思えなかったため、ご自身の状態を、診断書の様式を見ながら客観的に評価をして貰いました。十分に障害年金給付してもらえる状態であると判断出来たので、主治医にどのように診断書作成を依頼するか、を丁寧にご説明し、持って行く説明書を作成して、次回の受診日に臨みました。

 その結果主治医から、改めて診療時間ではない時間を確保するので、話しを伺いながら診断書を作成します、と言っていただけました。親身になってくれる医師であったので、本当に良かったと思います。後日出直し、30分程度の時間をとって貰い、診断書の項目ごとに聞取りをしてもらいながら、ご本人も現在の状況を正確にゆっくりとお伝え出来たと言われていました。

 診断書は丁寧に記載されており、間違いなく2級決定がされると分かるものでした。私の方で請求書や就労状況申立等を作成し、年金事務所に提出し、最近になって決定通知が届きました。この方の場合、当然ですが家族のために就労したいという希望が強く、その気持ちが先行して医師に伝える言葉は「大丈夫です」ということになってしまっていたので、診断は実際の状態よりも軽症と思われていました。そのことを感じたので、障害年金診断書は実態を反映しなければ意味がない、とお伝え出来た事は良かったと思います。「障害年金が貰えるようになったので、改めて自分ができる仕事を探していく」と言われていました。