障害年金2級 脊髄小脳変性症の場合

 遺伝性の脊髄小脳変性症に罹患された方からのご依頼で、この方は、初診日から3年以上経過しており、お仕事は継続できている方でした。お仕事が続けられていても、仕事での制限、生活上の制限も出始めていましたので、詳細にお身体や生活状況をお聞きして取り組みました。

 まず初診日の確定ですが、明確に初診のクリニックはわかっていましたが、そのクリニックは医療法人が開設するもので、当時の理事長から所謂事業譲渡されている状態で、中の医師は総とっかえとなっている状況でした。初診日証明を依頼したところ、当時の医師ではないので、と後ろ向きでした。そこで、カルテは残っていたので、カルテ開示を行い、初診日の証明がもらえない理由書を作成して、無駄な診断書を取得することなく初診日要件はクリアできました。

 次に診断書の取得ですが、初診日から1年半後の本来請求用と、現在の事後重症用の2枚を取得します。大病院の受診でしたので、2回ほど外来受診にお付き合いをして、主治医に詳しく仕事の状況、家庭での状況をお伝えしました。とても専門的な先生であったので、内容にはさほど口を挟みませんでした。

 ところが、その先生が人事異動でその病院からあと少しで居なくなる、と突然言われ、えー、となったのですが、居なくなるまでに絶対に作ります、と言っていただけたので、助かりました。診断書が手元に届いたのは、すでに異動された後でした。さて、診断書を確認したら、2枚の診断書につじつまが合わないことが記載されていました。微調整ではありますが、病院に相談したところ、次の主治医に書いてもらうしかないとのことで、仕方なく新たな先生に依頼をし、相当な時間を要しました。

 したがって、提出が遅くなったため、事後重症しか認められなければ、2か月くらいの年金が貰えないことになってしまいます。この方は本来請求で2級が認められたため、事なきを得ましたが、大きな病院ではよくある話で、診断書作成に相当な時間がかかってしまうことを想定して、早めの対応することが必要です。